土木工事は、出来形管理や品質管理を行い、目的物が設計図書に定められた形状や品質であるかを確認しながら建設していきます。道路土工や舗装工における出来形管理は、所定の規格に入っているか確認するために行われるもので、施工上、重要な作業となります。従来の出来形管理は、施工完了後に、幅や高さ、厚みの管理に多くの人手と時間が必要でした。また、各計測データをまとめる書類整理にも、時間がかかっていました。
こうした中、国土交通省では、i-Constructionの取組が打ち出され、舗装工にも3次元データを使った面管理など新たな管理方法が設けられました。しかし、舗装工の中間工程である路床や路盤工では、計測から合否判定に時間がかかるなどの理由から、積極的に導入されませんでした。
建機搭載型出来形管理システムは、これらの課題を解決します。
まず、締固め機械に搭載した装置で路面を計測し、得られた3次元点群データを現場で処理します。次に、設計データと出来形の差分値をクラウドにアップロードします。最後に、Webブラウザより差分値を保持した施工現場の3次元データを確認します。このように、出来形管理の効率化、品質確保、リアルタイムな情報共有が可能です。
3次元データ処理は、3D Point Studioをベースに構築しており、計測終了から数十分で解析結果が得られます。
本システムの特長
地上型レーザスキャナと比較して、ICT舗装工に要する出来形管理の所要時間を大幅に短縮します。
『建設機械搭載型レーザスキャナによる土工・舗装工事のリアルタイム出来形管理の実現』の紹介動画
※国土交通省は、内閣府による官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)の予算を活用して建設現場の生産性を向上するための研究開発を促進する「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクタ」を実施しています。本技術は、このプロジェクトの追加公募(2020年度)に選定され、現場試行を経て実用化を図ることができました。